神戸 伸彰
神戸珠数店
PROFILE
PROFILE
神戸 伸彰
1979年1月19日 やぎ座
趣味:ギター。実はハードコアバンドの活動をしています。経営者になってから常に仕事のことを考えていますが、ハードコア精神は経営にも生きています。ギターを弾いた翌日は指の動きも良くなるので電卓打つのもめちゃ速くなりますね(笑)
職業病:テレビなどで有名人の葬儀やお別れ会の様子を見るときは、手元しか見ていません(笑)「この人この宗派なんや」「こういう数珠を持った方がええんちゃうか」とか思いながらいつも見ています。
数珠は、6世紀中頃に日本に仏教とともに百済から伝わったとされています。当時は位の高い人しか持つことができなかったとされており、平安末期から鎌倉時代にかけて一般の人々にも広がっていきました。京都には平安遷都から、約1200年もの間根付いている伝統産業の1つで、日本の数珠の約70%を生産しています。
数珠には108の珠が組まれており、煩悩を仏様に引き受けてもらうという意味があります。現在は宗派によって数珠が異なるほか、カジュアルな略式のものもあるため、108の珠で作られていない数珠も多くあります。
「神戸数珠店」は1918年に創業された数珠の卸店。あらゆる宗派に対応できるほか、希少な材質も取り扱っています。老舗ながらアニメとコラボをするなど、大胆かつ積極的なチャレンジをしています。
伝統で築かれてきた信頼
京都は人のつながりで新しいものが生まれながら、伝統も受け継がれてきた町。伝統や歴史は、年表を読むだけでなく背景やその伝統が生まれた意味まで深堀すると面白いんですよ。そして観光の町でもあると思っています。いろんな人にもっと喜んでもらえるようになったらいいなと思いますし、数珠もその役割の1つになれたらと思います。京都の数珠は遷都以降の歴史がありますし、寺院の本山も多い。またかつて西陣織の影響で絹糸が安く手に入ったという背景から今でも糸は手に入りやすい環境なんですよ。そんな理由から全国の7割のシェアを占めています。うちとしては安心してもらえるモノづくりをして、「なんかうちの数珠を使うとちゃうな」って思ってもらいたいと思いますし、もっとうちの数珠のことも知ってもらいたいと思います。
数珠繋ぎになる想いの輪
「和顔愛語」という言葉を大切にしています。仏教用語で「笑顔で愛情の込もった言葉で話すことが大切だ」という意味です。会社の代表を引き継いだとき、自分はこの会社をどうしていきたいんだろう?と、いろいろな本を読んだんですけど、そのなかで、これだ!と。
数珠作りは「想いを形にする仕事」だと思います。うちは、糸、珠、房と職人さんが作ったものを完成させる場所。いろんな職人さんの気持ちを背負って形にします。職人さんともしゃべったりご飯を食べたりして、想いを共有していますし、数珠以外のモノづくりをしている人とつながって、新しいモノづくりをしたり…ということもあります。数珠作りも経営も、想いを繋げていくことが大切だと思っています。
独自性のあるモノづくり
製造卸業というのは、黒子の存在と言われていましたので、お店名を入れることなんかもご法度でした。私の代になって時代も変わり、特殊なものなら作り手を知ってもらうことも大事なんじゃないかと、オリジナル商品作って名入れもしてHPやSNSで宣伝するということもしています。数珠本来の意味での使われ方はハードルが高いのでね。アニメキャラクターをイメージしたブレスレットとか新しいこともしています。
うちの数珠が注目を浴びるタイミングってあるんですよ。第一次腕輪ブームは90年代で、Jリーグがスタートしてミサンガが流行ったとき。父が、数珠を覗くとアイドルが見えるブレスレットを作ったんですよ(笑) 第二次はちょっと前のパワーストーンが流行ったときですね。
本来の意味を伝え続けていくこととともに、気軽に身に付けられる要素も大事にしていきたいと思っています。
ライブと経営は似ている
高校時代からバンド、それもハードコアと言われるバンド活動をしています。伝統産業である数珠とかけ離れた印象を受けるかもしれませんが、私の中ではつながっているんです。
ライブって皆が乗ってきて、やってる方もテンションが上がってきてどんどん空気が良くなって一体感が生まれるんですが、経営と似てるなあと思うんですよね。単独ライブではないことが多いので、50代~10代までバンドが集まるんですけど、本職はバラバラの人たちが集まってそのなかで一体感ができて、一緒に何かしようという動きもある。藍染の数珠もそうして生まれたんです。
仕事とプライベートで私自身はそんなに変わらないんですよね。「誰にも負けない」みたいなハードコアな気持ちで仕事をしているのかもしれません(笑)
MOVIE
INTERVIEW
- 職人さんは何を大切に思って、数珠作りをしているんですか?儀式はあるんですか?
- 昔は朝水をかぶって体を清めてから数珠を作っていたそうですが、今はさすがにそこまではしていません。ただ、使う方のことを考えて長く使っていただけるようにと思っています。京都の数珠は糸が緩むとお直しして使えるようになっています。家族で代々受け継がれる方もいますので、売れればいいという物ではない分、思いを大切にしていますね。
- 仏教に詳しくない人、私たちのような海外の人に数珠はどうすれば伝わりますか?
- 逆に、どうしたらいいでしょう(笑)?元はインドや中国から伝わったもので故宮博物館にも展示されているんですが、使い方がわからないと言われたんです。ブレスレットに般若心経とか書いているものは買ってくれるんですけど、手を合わせるという習慣がないと難しい。おりんが瞑想で使われたりするように、仏具として以外の使われ方をするかもしれませんね。
- 一番の自信作はどれですか?
- うーん。藍染したものかな。人のご縁、つながりでできたもので、シンプルな作りなんですが普段数珠を持たない人にも広がって、多くの人に届けていきたいという思いをかなえてくれてます。「数珠繋ぎ」という言葉がありますが、人と人が近づいて一つになって丸く優しい心でつながりましょう、というのが、数珠の丸で表されているとも言われているんですよね。
ABOUT THIS DIALOGUE
グループ料金 | ¥ 200,000 |
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参加人数 | 1~4名 |
実施時間 | 10:00~13:00 or 14:00~17:00 |
キャンセル規約 | 開催日の7日前以降のキャンセル料は100% |
お支払い方法 | クレジットカードのみ |
応募条件 | 18歳以上 (保護者同伴の場合、12歳以上可) |
予約期限 | 対談日の7日前まで |
当日の流れ | 1. ホテルまでお出迎え 2. 現地到着 3. ブリーフィング(約30分~約1時間) 4. ダイアローグ(約1時間) 5. ホテルまでお送り |