大西 晶允
清水寺
PROFILE
PROFILE
大西 晶允
1982年4月29日 おうし座
座右の銘:「枉尺直尋(おうせきちょくじん)」です。「尺を枉(ま)げて尋を直(の)ぶ」という四字熟語で、「目標を成すために、時として小さなことは曲げる」という意味。自分が守りたいもののためには細かいことは気にすんなってことです。昔は頭が固かったので、この言葉を頭に置いておかないといけなかった。当時は揺れ幅がなかったですね。
オフの過ごし方:習字をしたり、子どもと映画に行ったり。最近だと「Mission: ImpossibleⅡ」も観に行きました!…長かった(笑)
京都は794年の平安遷都以降長きにわたって日本の中心でした。それゆえ、寺社仏閣が多く、とりわけ寺院の本山が多く存在する町でもあります。清水寺は京都を代表する寺院のひとつで、北法相宗の本山。778年(宝亀9年)に山岳仏教の僧・賢心(のちの延鎮)が開創し、坂上田村麻呂が本願となりました。本堂には、御本尊である十一面千手観世音菩薩が祀られ長く京都の人々を見守ってこられました。
重大な決意で物事にのぞむことを表す諺「清水の舞台から飛び降りる」の「舞台」は高さ13メートルの音羽山の崖の上に建てられており、春には桜が、秋には紅葉が彩る名所としても人気。また、毎年12月には、(公財)日本漢字能力検定協会主催の「今年の漢字」を発表する場所としても知られています。
仏教は心を温める教え
白隠禅師という江戸時代のお坊さんが座禅の極意をわかりやすく表したものに「衆生本来仏なり 水と氷の如くにて」という言葉があるんですけど、仏さんと人間というのは水と氷のように一体である、と言ってるんですね。
仏さんというのは、四角い器に入れば四角くなり、丸い器なら丸くなる柔らかなもの。しかも高いところにとどまらず、下へ下へと流れていく。泥水のなかでも泥に染まらず、時間をおけば分離し清らかなままを保つ。そういう存在なんです。
しかし人間は角があり、ぶつかり、どの器でも自分を変えることができず、冷たい氷のようなのだというね。だけど仏教に触れることによって、心を温める水のように柔らかい存在になっていくんです。
寺も京都もたまたま残っているだけ
794年から1868年まで京都は都でした。その時代の最新のことが集まる風土から、実は「新しもん好き」な町なんですよ。喫茶店やパンも早かったし。京都に古いとか趣を感じるのは京都以外の地方の人で、我々別に骨董品やないからね(笑)
お寺も古いと思われてますけど、昔のもん大事に使ってるだけ。宗教施設は今を生きる人のものなんですよ。世界遺産とか国宝とか、僕らからするとどうでもいい。先輩後輩、親子と一緒です。たまたま先に生まれただけで、偉そうにされても…ってなるでしょ?清水寺は古い寺ですけど、それはたまたま先人が大切に守ってきたものが今あるだけ。息子の時代にはないかもしれない。
時代とともに不要なものは消え、必要なものが残るんですよ。大事にしているのは心。堂塔伽藍がなくなっても仏様の心は伝えていけるんです。寺や仏さんというのは「ありがたいな」という空間を作る演出・舞台装置だと考えます。
京都の灯を保ち続けるために
「油断」という言葉は、法灯の火が消えることのないように油を注ぎ続けるというところから生まれたんですが、1000年の火は新しい油を足して注ぎ続けないといけないんですよ。インバウンドに沸く今の日本はご先祖様の守っていた貯金で商売しているだけに見える。もっと100年、200年後に芽が出る種を蒔かないと。
例えば清水寺の諸堂も手掛ける伝統技術を有する職人さんは保護もされておらず担い手は減る一方。だから今あるお堂の姿もいずれなくなる。個人的には形にこだわっていないので、日本人がそのことを承知したうえでなくなっていくならいいんです。でも知らない間になくなってしまっていたというのは残念。
それを知ってもらう活動の1つが「OKAGESAN」なんです。知ったうえで選択は自由です。もっと自分で考えてもらいたいなと思いますね。
持続可能なHAPPY
皆がハッピーなら僕もハッピーってことに気づいたんですよ。自分一人がハッピーでも飽きる。一瞬の快楽はありますよ。美味しいお肉食べた!いい車乗った!ってね。でもそれは持続可能なハッピーじゃないんですよ。
周りが笑ってくれて、ええ時間やったと思ってくれるかが、僕の幸せにつながってると思うんです。モノは一瞬の快楽。心の豊かさでしか人は幸せになれないんです。この人が喜んでくれたら嬉しいなと思えたら、自分もハッピーなんですよね。
今日の自分って、昨日の自分の結果なんです。明日のハッピーを願うなら今日ハッピーの種を蒔く。いきなり完璧になんてできません。
今日より明日ベターなことを皆で一緒に考えて、自分を大切にするように周りも大切にできたら皆が幸せになれる。これが仏教の一番大切なことなんちゃうかなと思っています。
MOVIE
INTERVIEW
- お坊さんになった背景は何だったのでしょうか?
- ここで生まれ育ったので、7歳から朝おつとめして学校行って、帰ってきたら寺の掃除や手伝いをする毎日でした。小学校はカトリックの学校に行っていたので、登校したら「アーメン」でした(笑) お坊さんになるつもりはなかったんですが、中国のお坊さんとの交流を通して中国に留学し、そこで今まで自分が守られていたことを痛感して仏教の心を学ぼうと思うようになったんです。
- 仏教は、初期と現代ではどのように変わってきているのでしょうか?
- 核の部分は変わらないんですが、仏教は変わり続けています。タイムスリップしてちょんまげの頃の日本人と我々がお話しても、恐らくよく通じないであろうように、その時代・環境・人に合った説明をしなければ伝わらないんです。私にとっては宗教自体も同じ。欧米の人にはキリスト教が受け入れられやすい環境だったということなんだと思います。円柱が上からだと丸、横だと四角に見えるように、目指していることは同じだけど切り取り方で見え方が変わるのが宗教だと思います。
- 自分の行いや人にあげたことは返ってきますか?
- 返ってくることを望んでいる時点でどうかとは思いますが、良くも悪くも報いはあると思います。天国も地獄も環境は同じなんです。食べ物やモノがたくさんあって、皆爪が長いんですって。地獄の人は長い爪で食べ物を取って自分で食べようとするので口に届かない。一方天国では、長い爪で食べ物を隣の人の口に入れてあげる。皆お腹いっぱいになると、隣の人が何も食べてないことに気づいて勝手に口に入れてくれる。それが天国です。皆が幸せだったら自分が幸せになる、だから周りの幸せを考えるんです。
ABOUT THIS DIALOGUE
グループ料金 | ¥ 300,000 |
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参加人数 | 1~4名 |
実施時間 | 6:00~9:00 |
キャンセル規約 | 開催日の7日前以降のキャンセル料は100% |
お支払い方法 | クレジットカードのみ |
応募条件 | 18歳以上 (保護者同伴の場合、12歳以上可) |
予約期限 | 対談日の7日前まで |
当日の流れ | 1. ホテルまでお出迎え 2. 現地到着 3. ブリーフィング(約30分~約1時間) 4. ダイアローグ(約1時間) 5. ホテルまでお送り |